住民票の「原本」と「写し」。原本提出する場合の原本とは?

日々の仕事

職場で事務員さんがうんうん唸ってる。何かと思って訊ねると・・・

「住民票の原本ってどれですか?」

原本か写しか

何か手続きする場合に、本人確認書類として住民票を求められることがある。

手続き先、住民票の提出先によって取扱いは異なるが、「原本」を求める場合と、「コピー」を求める場合とがある。

ちなみに、役所で発行してから三カ月以内のものでないといけないと、期限が切られているのが普通。

さて、冒頭の事務員さんが手に持っているのは、「住民票の写し」。なるほど、その住民票には、「この写しは、住民票の原本と相違ないことを証明します。」の文言。

事務員さんが提出したいのは、原本。「住民票の原本を提出してくだい」って先方から言われたのだろう。

住民票原本

住民票の原本があるのは、役所の中。住民票って、住民基本台帳の事だと思うが、実際に紙の台帳があるわけでなく電子データとして保管されている。

住民票の写し

我々が役所に行って貰ってくるのは、この「住民票の写し」。カラーコピーでもしようものなら、一目で複写されたモノと分かるような細工がされた専用の紙で発行してくれる。この偽造防止の紙に、「原本と相違ない」と証明している。

住民票の写しのコピー

住民票の写し」をコピーしたもの。

原本=写し

「原本=写し」って、なんか変な日本語なのだが、普通一般的に「住民票の原本を提出してください」と言われたら、「住民票の写し」を提出する。「住民票の原本を提出してください」って言われた時の「原本」の意味は、「住民票原本」のことではなく、「住民票の写し」の事であって、「住民票の写しのコピー」ではダメと言っていること。

だから冒頭の事務員さんも、何も心配せずに「住民票の写し」を「住民票の原本」として提出すれば良い。

ちょっと気の利いた人だと、「住民票の写しの原本ください」と言ってくれる。つまり「コピーしたものではダメで、『原本と相違ないことを証明します』と書かれたものをください」って意味。

会社定款

似たような書類に、会社の定款がある。会社設立時に作られる原子定款が紙であるのだが、定款は会社の実情に合わせて適宜変更される。

だから、会社の定款と言えば、パソコンの中にデータとして保存されていて、使う時に日付を入れて印刷、住民票のように「原本と相違ありません」と一文を付け加えて、会社代表者印を押す。

まとめ

言葉の意味を意識していないと、細かい事に気が付かない。しっかり意識していないと、「この写しは」とか、「原本と相違ない」などの文言に違和感を感じないだろう。

書類作成を専門とする身としては、日本語の意味、法律的な言葉の意味、一般慣習的な言葉の意味などを意識していないと、重要な事を見落としてしまうかもしれない。そういった意味では、事務員さんの気づきにはハッとさせられた。

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