誰かのためでなく自分のために行政書士になりたい

日々の仕事

「たまには遊びに来たらいいね、お茶っこでも飲みに来い」。

とあるお客から嬉しい言葉を頂いた。きっと私を信頼・信用してくれているのだと思う。こうした顧客からの嬉しい言葉を頂くたびに、やはり行政書士として開業して、もっと顧客に寄り添うような仕事がしたい、と改めて思い直す。

林業会社で不動産売買を担当している私の元には、多くの山林購入依頼が来る。この嬉しい言葉をくれたお客さんも、そのうちの一人。80歳を超えている高齢のおじいちゃんだが、口調もしっかりしているし、訛りもないので、話がし易い。

私から見れば父と言うよりも祖父の年代の方。

通常売却依頼が来れば、書類上で山林の場所やそこに生育している樹木を調べて、その後現地を確認しに行く。書類上調べた事項と、実際に現場で見た事を突き合わせて、最終的な評価額をはじき出す。

依頼を受けてからお客さんに対して金額を提示するまで、だいたい一か月間くらいの時間を頂く。ところがこの方の山林に関しては、かれこれ3年間くらいの期間を要している。

なぜそこまで時間がかかったかと言えば、とにかく面積が大きく、調査に時間がかかったため。また、あまりに面積が大きく、購入金額も多額になり、会社としてそれだけの資金を用意出来るか不安もあったため。

初めてご自宅にお伺いしてお会いして、売却依頼のお話しを聞いて、そこから約3年のお付き合い。長いお付き合いをさせて頂いた後、最近になってようやく話がまとまったので、契約の流れ等の確認にちょくちょく電話をしている。冒頭のセリフは、そんな電話をしている時に頂いた言葉。

これだけの時間をかけてしまい迷惑をかけているのはこちら。なのに、いつも電話すると

「迷惑かけてすまないな~」。

と声をかけてくれる。話がまとまった最近では、

「いや~助かった、ありがとう」。

とまで言ってくれる。

私が行政書士として仕事をしたいと思うのは、会社勤めが嫌だからとか、そんな後ろ向きの動機ではない。

自分が仕事をすることで、他人様から感謝されて、信用・信頼されて、「遊びに来い」とまで言ってもらえる。こんな幸せな事ってないと思う。(簡単に言うと、心が「ほっこり」する。)

「誰かのために役にたちたい」などと、歯の浮くようなセリフは吐きたくない。あくまで自分のため。あくまで自分が幸せな気分に浸りたいため。(こんなふうに思ってないと偽善者っぽくて、自分で自分が気持ち悪い。)

当然、感謝・信用・信頼されるためには相当しっかり対応しないといけないし、簡単な事ではないことは理解しているつもり。行政書士として仕事したいと思う原動力、この初心は忘れてはいけない。初心を忘れた瞬間、ただお金を稼ぐだけの仕事になってしまう。ただお金を稼ぎたいだけなら行政書士にこだわる必要はない。むしろ、行政書士ではない道を選んだ方が、簡単かもしれない。

初心忘れるべからず

このモチベーションを維持しつつ、さっさと不動産売買に関する書類を作成して、その書類の説明がてら”お茶っこ”でも飲みに行こうと考えている。

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